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竜の眠る地

DQ主達の記録

Lv.14:リレミトを覚えた。


 購入品、鉄のオノ(2500G)2挺、みかわしの服(2900G)1着。
装備者、斧はアキドとピエロ。みかわしの服は文句垂れていたのでピエロにしょうがなく装備させる。
そして現在アキドが目の前の友好的ボッタクリ商人とガヤガヤやって鉄の兜を購入するべく交渉中である。

「おお、あなた酷い人! 私に首吊れといいますか? 分かりました。では2000Gにいたしましょう。これならいいでしょう?」
「しょうがないなー! その値で買うよ」
「おお! 買ってくれますか? 私達いつまでも友達、またきっと来て下さいね」
 アキドがゴールドを払い。鉄の兜をゲットする。
「まさか、ここまで値下げできるとは…」
「へっへーん」
 得意気にピースするアキドから、鉄の兜を受け取り、装備する。それでも高いんだけどね。っと言う独り言のようにボソッと言っていたが気にしないことにする。

これで準備万端だ。
「ありがとな」
「ぼったくり商人には負けないんだから!」
 この対抗意識からか、何日か滞在してお金貯めることを了承し、修行を兼ねたモンスター狩りに付き合ってくれた。
「しかし、ずいぶん粘りましたね」
「砂漠なんだぞ、足元が砂でいつもの力を出せないだろう。用心に越したことはない!」
 本当なら己の装備できる鉄のオノをもう一挺欲しかったが、無駄に時間の浪費もいかがなものか、と言うところまで来たので断念する。

 その過程で覚えたダンジョンなどからの脱出呪文、リレミト。これまたゼトが事前に覚えてくれている魔法なので、己の魔法が活躍する日はこないかもれないなと思う。
完全に魔法は回復要因である。

 魔法といえば、ゼトがさらに頼もしいベギラマを覚えてくれたのだ。
ギラの上位互換で多少魔力を食うものの威力が凄まじい! 本当に頼りになる。

 そんなこんなで一行は砂漠の中にあると言われている。イシスという名の国を探す。
更に、魔法のカギのありかも探るつもりだ。
『南に行き、山伝いに歩くと沼地に祠がある』と言う道具屋にいた兵士の言葉だけが頼りと言っていい。
何せ、イシスという国は西の砂漠の何処かにあると言うことしかわからないからである。彷徨い干からびて死にたくはない。
「暑い〜。干からびるよぉぉぉー」
 口調と軽快さは一致しないアキドがお宝の為頑張っているようだ。
「助けて下さい! 自慢の化粧がハゲそうです」
 今ピエロを見たら多分ヤバそうだなっと思った。興味本位で覗くと後で後悔しそうだ。
「ヒイ、しんどいのう」
 ゼトは動きを最低限にし、体力を温存しているようだ。地味にすごいと思う。
「多分この道であっているはずだ!」
 砂漠は当たり前だが砂だらけで道という道がない。その歩きにくい場所を遠くにある目印と方角だけ信じて歩む。

 その砂漠であろうと歩けばモンスターが襲ってくる。
「かったーい!!」
 手が痺れたのかアキドが手を振りながら舌を出す。【じごくのハサミ】と言う緑色をした蟹である。
仲間を含めた自身を強化する呪文——スクルトを唱えるのである。
二回、唱えられたらもう攻撃が通らない。
「ゼト! 頼む」
「ベギラマじゃ!」
 幸い避けられることもあるが魔法は防御力関係なくダメージを与えられる。スクルトを上げられてしまったらゼトに頼るしかないのが辛い所である。
また【かえんムカデ】は己達に向かって炎を吐いてくる厄介さはあるが、攻撃が通らないわけではないので少し楽である。
強くなってきたかなっと思ってもこれである。
ゼトの魔力をなくならないよう気にしながら進む。

 不安になりかけた時、砂漠の南端で毒沼に囲まれた地で奇妙な祠を見つける。
「うげ、何でこんなところに住んでんの?」
 足元を毒沼で汚しながら中へと進む。
「モンスター避け?」
「だったらもっと町みたいに聖なる結界で侵入を防いで欲しいよぉー!」
 アキドの言いたいこともわかる。これではモンスターと言うより人間を避けていると言って良い。

「カギは砂漠の北、ピラミッドに眠ると聞く。しかし、その前にまずっ!」
 祠の中には尋ね人を歓迎し、きちんと情報もくれる有り難い老人がいた。
シワだらけの顔に似合わず鋭い目つきは恐れ入るが、そこまで身を乗り出さないでもらいたい。
「イシスの城を尋ねなされ。確かオアシスの側にあるはずじゃ」
 良い情報有り難いが、ちょっと圧が強い人であった。お陰で上記以外のことは何も聞けなかった。

 休息と補給を終えた一行はイシスの城を探すべく取り敢えず西へと歩みを進める。
このままピラミッドへ行くのは無謀であると言う判断だ。取り敢えず宿に行きたい。
「魔法のカギ〜♪ 魔法のカギ〜♪」
 歌い出しそうな口調でアキドが意気揚々となっている。このまま行くと無事に手に入りそうだと自分も少し撫で下ろす。

 ふと、父の歩んだ道を辿っているような気持ちになった。
父がどんな姿をしていたかはもう思い出せない。既に周りから聞かされた武勇伝でその姿は塗りつぶされていると言って良い。

「大変じゃ! 魔力が切れるぞ」
 ゼトの叫び声が聞こえる。やばい。少し暑さにやられていたかもしれない。
「そんなあ、逃げる隙がなくなるじゃないですか!」
「逃げようとするな!」
 引くか進むか悩むとき、オアシスが視界に入ったのだ。
既に暑いを通り越して熱い。さらに夜は気温が急転直下で寒い。
砂漠は油断すると死ねる。本当にこの方角で合っているのか、見えたオアシスは幻じゃ無いだろうなと疑うほどである。
こうして無事辿り着けたのは奇跡じゃ無いだろうか?

「ここは砂漠の国イシス。今は亡きフアラオ王の作った国です」
 墓の前にいた男が教えてくれた。フアラオという人物を知らないが過酷な場所によくぞ癒しの国を作ってくれたと感謝する。

「ねね。今の聞きました!?」
 興奮気味にピエロが叫ぶ。
「勇者はこの世界の代表と言って良い。キチンと挨拶はせんといかんぞ!」
 真面目そうにゼトが答える。
「下心が見え見えなんだよ!」
 この国を治めているのがとても美しい王女だと聞いた途端これである。
「それよりは今はお宝でしょう!! お城のどこかに隠されている【ほしふるうでわ】必ず見つけて見せる!!」
 アキドそれも違うと思う。
「何だそれ?」
「あれ知らない? さっき吟遊詩人が歌ってたよ。素早く動ける腕輪なんて素晴らしい!」
 本当にどこから情報聞き出してんだよ。

 そして引きずられるように女王の謁見の間へといく。
旅の者でも快く開放しているこの地。
城の入り口で猫が異常に多いのが印象的である。
「皆が私を褒め称える。でも一時の美しさなど何になりましょう。旅の無事を祈っていますわ」
 確かに絶世の美女であった。だが、美しいものにもそれなりに悩みがあるようで、少し憂いを帯びた女王の表情に何とも言えない気持ちになる。

『一時』その言葉がとても心に残った。

 無事、謁見を終えた興奮が止まらないようで、鼻息荒く話している二人を他所に怪しい動きをしているアキドを止める。
「今、ヒントを聞いてるの!」
「ヒント?」
 シーと言うしぐさの後、城の子ども達が楽しそうに歌っている歌に聞き耳を立てている。

『まん丸ボタンはお日様ボタン。小さなボタンで扉が開く。始めは東、次は西』

「何のヒントだ?」
「さあ、ピラミッド関連の秘密らしいよ! 覚えていて損はないでしょ!」
 いや、本当に何処からそんな情報聞き出してんだろう。メモを取り満足そうだ。
「すごいな」
「えへへ、お宝の為だよ!」
 機嫌よく答えてくれる。そう今なら聞けるかもしれない。
「なあ、何で……」

「気を付けなさい! ピラミッドには呪文の効かぬ場所があるそうな」
 ピラミッドの話をしていたのを聞いたのか、ツカツカと歩いてきた女性が注意する。
更にもう多くの泥棒に荒らされたと言われている。無茶なことは考えるなと注意された。
こうなると、アキドの機嫌が悪くなる。
イーッと歯を剥き出しにして、去っていった女性を威嚇する。
「ぜえーーったいに、お宝手に入れようね!!」
 ああ、アキドを止める手段はない。

 勇者Lv.14、覚悟を決める。

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